並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

Bブロック感想

 比較的感想が少なかったBブロックを読んでみました。
 ネタばれ、勘違い、読み込み不足があるような気もしますが、それでもよければどうぞ〜。




B01  ヘブンリー・ブルーはここにある
 同人。壁サークルになるって派手なことに十分なると思う。
 ヘブンリー・ブルーは身近にあった。見つかってよかったねぇ〜。と思いました。
 天国へ行けない理由が描きかけの同人誌の表紙というのが面白かったです。
>あたしも、そんなふうに、誰かの心の中で、ずっと生き続けられるんだといいな
 という一文が切なかったです。


B02  アオの空
 アオが切ない〜!
>青ってこんな優しい色だったのね
 お嬢さんが呟くように言ったこの台詞が良かったです。
 アオの印象とダブって「優しい」につながったんだと思うんですけど。
 普通、青は冷たい色の代表だから、「優しい」って表現が良かったです。


B03  グリーンサイン・レッドサイン
 ツキナが妹思いで、健気だと思いました。
 AIが心を持つことが怖いと感じたのは
>いっそ赤ならいいのに、と、ワタシはつい思う。
 ワタシのこの考え方です。
 自分の主人ではないユノには生命の危険があってもいい、と。
 雨風にさらされて歩くツキナの描写は細かく丁寧で、がんばれと応援を送りたくなりました。


B04  ラッキーデイ
 犬と猫が喋っているのが大仰で、犬と猫である外見を除けば王道のファンタジー
 ってところが面白かったです。
 途中から主人公もノリノリになってくるのが良かったです。
 最後は憧れの彼女と喋るきっかけができて、前半部分とつながって、まさにラッキーデイとなったのが上手いなと思いました。


B05  シキ、若しくは渇いた刑場
 重たい話です。中華風(?)の舞台で繰り広げられる思想の違い。
 ドレスって単語が出てきたから、無国籍FTかもしれません。
 静かに粛々と進む物語で、明英の心の動きが緊張感を持って描かれています。
 処刑場で、少年の叫びが耳にこだましました。
 それまで静かだったのに、このシーンだけ音があるように感じました。 


B06  金紫の衣をその身に纏いて
 かわいい女王様!
 ルイスが金紫の衣を欲した理由がわかるというものです。
 他の伴侶候補よりも一歩分、違う。
 家柄だけではない。
 それを証明するためにも、ルイスは強くなくちゃいけなかった。
 少なくとも自分の身を守れるだけの武を持っていることを国民に知らしめさなければならなかった。
 面白かったです。


B07  月の海から
 途中からおやっ? と思っていて、徐々に情報が増えていって最後でやっぱり。となりました。
 大家さんは旦那さんと大恋愛って本当のことだったんですね。
 珊瑚ちゃん可愛いですね。綺麗なことしか知らないピュアって言葉がふさわしい感じでした。
 空を泳ぐ人魚姫たちを見てみたいなぁと思いました。


B08  色鬼
 天色を手にした彼女は無事、成仏できたのでしょうか?
 いつから色鬼をしているかわからない少年は、これから先も色鬼の相手を探すのでしょうか。
 私の死体が出てきたとき、ぎょっとしました。
 唐突なんだけど自然で。今までの不自然さを解消するようで。
 色鬼の理由がすんなりと納得できました。


B09  蝶の記憶
 何かと噂が尽きない彼女との付き合いに難色を示す母の無言の圧力が印象的なスタートでした。
 ドラマか何かのような彼女の人生を傍観者として見続けるわたし。
 彼女は何も言わずに旅立ったことに驚きました。
 え、死んじゃったの? っと以外に思いました。
 置いてきぼりになっちゃいました。


B10  Clear
 色を持たない女が旅を続けて、透明に辿りつくお話。
 「青」の少女の憧れが可愛かったです。
 だからこそ、次の「赤」が引き立って良かったです。
 騎士道精神だからこそ傷ひとつつけられず泣くしかなかった。
 プロポーズするほど好きな女性の名前を忘れるのはひどいと思いました(笑)
 そんなところもクレアは、計算済みだとは思いますが。


B11  カウントダウンは始まった
 怖いぃ〜。
 三角関係なのは、途中からわかっていたんですが、オチがこうくるとは思わなかったので。16年間というのは短い時間じゃないですよね。
 怨念を感じました。
>「カノジョなんて。いないよ、亮ちゃん」
 この一言が一番怖かったです。


B12  黒鍵のエチュード
 ループもの? と思っていたら最後で違うことを気づかされるお話でした。
 永遠の九月一日。明日に進めない理由は作者のエゴ。愛しすぎちゃったゆえに九月一日はループする。
 鍵盤がピアノの鍵盤とキーボードの鍵盤が掛けてあるのが上手いなぁと思いました。
 一度もピアノって出てきていないのに、勝手にピアノの鍵盤だと思い込んでいました。