相変わらず自分の実力を横において、言いたいこと書いていますよ。
それでも良いなら、どうぞ〜。
A01 弟
おめでとうー!
弟だからじゃなくて、個人として見てもらえたんですね!!
美緒は先輩とは思えない外見でも、やっぱり年上の先輩でした。
ぐるぐる悩んでいる佐藤くんが可愛く見えました。
A02 碧の空
異世界トリップもの。七年は長い時間ですよね。
帰りたい、と願う気持ちと、もういいかと諦めが混じった感情で物語はつづられていく。
異世界の空の色はブルーグリーンで、想い出の空まで侵食し始めている。
主人公の帰りたいという気持ちまでブルーグリーンが圧し掛かって、絶望を予感させるラストでした。
その暗さがまさにブルーグリーンです。
A03 光り輝く風景
おめでとうー篠原さん!
彼女ができたら景色も鮮やかに見えるなんて現金な(笑)
気がついたらくすんだ日常、子供の頃よりも灰色に近い現実が気の持ちようで鮮やかに見える。
ちょこちょこ入るセルフ突っ込みが面白かったです。
A04 愛に逢いに
> すっと、花びらを祖母の唇に当てて。
>「綺麗ですよ」
このシーンが胸にきゅんと来るって感じでした。
とにかく情景が美しい。思わずため息をついてしまいました。
白粉も紅も興味を持たなかった主人公がラストシーンで桜色の口紅を買うつもりという心の変化が良かったです。
A05 洗濯参景 −十和と千早−
捜し求めてやっと手に入れたブラウスが染まってしまったら、悲鳴のひとつも上げるというものです。
いくら弁償してもらっても、あのブラウスは元には戻らない。気に入っていればなおのこと、それぐらいの謝罪じゃ許せなくなる。
千早のテンションが高くて、楽しく読めました。
十和の冷静さと良い感じに反比例していますね。
A06 俺と彼女の模範解答
小夜子さんの男口調が良いですね。
変に女性らしくなくて、さばさばした人格だなぁ、ぴったりだなぁと思いました。
だから途中の
>「愛してるぞ」
が、じわじわ効いてきました。
逆プロポーズの段階では、読んでいるこちら側が嬉しい悲鳴を上げたくなりました。
A07 色覚研究所奇譚
「お嬢さん」が一番の被害者なのかなぁ。
書生さんは夢を失って、幸福ムードになっちゃっているし。
成田氏はそんなに悪い人じゃないみたいだし。
書生さんとくっつくよりも幸せになると良いなぁ〜と思いました。
A08 歌う青と芽吹く緑
前半の樹公が視力を与えるシーンが好きです。
青い花、綺麗だったんでしょうね。
後半、好きな花だったと聞かされて樹公も満足したと思います。
切ないけれど爽やかなお話でした。
若菜くん、強し。人間の逞しさを感じさせるラストシーンも良かったと思います。
A09 蜜色のアトリエ
前半はシロワが描いていく絵を見守っているような気でいました。
どんな風に絵が完成するのか、それを無言で見つめ続けるクロークの気分に近いような、でも少し距離があるような。
絵が完成したあとは、空気が変わったような気がします。
艶っぽい!
>密やかに獣の目で彼女を見ていることも
この一言で全部を表現していると思いました。
A10 言祝ぎ
「桃」のような乙女。これだけでも艶っぽいですね。
食べ物としての桃も良いですが、花としての桃の色香も良いので、そちらを想像していました。
緩んだ顔で恋しき人を語る犀怜が良かったです。
琴香の仕草ひとつひとつが愛らしく、少女らしくて良かったです。
みんなが夢中になるのも仕方がない感じがしました。
A11 月影に色ふ
どこか想い出をなぞるような語り口で始まる幼馴染のお話。
家族のように育てば、異性として好きなのか、違うのか。
告白がこれまでの関係を壊してしまうかもしれないと色々と悩みがありますよね。
そこへ引越しという二人にとってどうにもならない事態が降ってくる。
月光の中の告白シーンはとても美しく、素敵でした。
A12 花びら一つ、あなたに
「わたし」はどんな人物なのか謎のまま。
輪郭を捉えたと思ったら、すり抜けてしまう。
>笑いながら泣きそうになりますよ。
見た人物全員が泣きそうになるとはどんな「わたし」なのでしょうか。
女性ですら、いや人間ですらないのかもしれません。
「わたし」は王子を愛おしいんでいたんだなぁと思うだけに、残される王子の気持ちを考えるとやるせない思いに駆られます。