故郷なんて、そんなものはない。
思い出なんて、どこにもない。
私には、ない。
寂しそうに、語るその口元を見ながら羨ましいと感じた。
懐かしそうに故郷を思い描くその瞳を見ていたら、胸が苦しくなった。
嬉しそうに、幸せそうに話す。
その故郷に私も還りたいと思った。
「死に場所ぐらい、自分で決めるわ」
だって、そこが私の故郷になるから。
どうせなら、あなたの腕の中がいい。
たった一つしか持てない故郷ならば……。
私たちが故郷を持てないのは、故郷を決めることができるから。
だから、持てない。
二本の足で、どこにだっていける。
私たちには枷がないから、故郷という名のくびきを持たないから。
でも、あなたが話す故郷なら、行ってもいい。
思いついたのはいいものの、どこにも使えなかったネタです。
例のごとく、続きません(笑)