並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

ふるさと

 故郷なんて、そんなものはない。
 思い出なんて、どこにもない。
 私には、ない。
 寂しそうに、語るその口元を見ながら羨ましいと感じた。
 懐かしそうに故郷を思い描くその瞳を見ていたら、胸が苦しくなった。
 嬉しそうに、幸せそうに話す。
 その故郷に私も還りたいと思った。


「死に場所ぐらい、自分で決めるわ」


 だって、そこが私の故郷になるから。
 どうせなら、あなたの腕の中がいい。
 たった一つしか持てない故郷ならば……。
 私たちが故郷を持てないのは、故郷を決めることができるから。
 だから、持てない。
 二本の足で、どこにだっていける。
 私たちには枷がないから、故郷という名のくびきを持たないから。


 でも、あなたが話す故郷なら、行ってもいい。

 思いついたのはいいものの、どこにも使えなかったネタです。
 例のごとく、続きません(笑)