並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

考察もどき

 8月26日にtwitterで、だらだらと書いていた文章です。
 流してしまうのはもったいないような気がしたので、ここ(blog)でまとめます。

休みと安みと八隅の関係(日本語の変遷)




定義

やすむとは「心と体が落ち着いてやすらかであること」を指す。


休むの場合)
休は“人”と“かばう”で成り立つ。もしくは人が木陰で休むという会意字。
同訓意義は「やすらか」ではなく「やめる」扱い。
「おしまい」の意味を持つ。


安むの場合)
家の中に女性がすわっているさま。静かにとどまる。
「あまんじる」の意味も有り。
「危」と対の単語。同訓異義語には「康」「泰」「寧」など良い意味が多い漢字がある。

万葉集での用例

「八隅」は万葉集の和歌で使われる。
枕詞「やすみしし」の「やすみ」に当たる。
そのため、四方八方のすみずみを意味する。狭義では「高台に上がって見下ろした景色の全て(国見)」を指す。


「やすみしし」は「八隅知し」「安見知し」の二系統。
「八隅知し」は“国のすみずみまでに知られている”。
「安見知し」は“やすらかにご覧になられる”。
と、言葉の意味する対象が違う。

まとめ

現代では「やすみ」と言った場合「休み」なわけですが、意味合いは「安み」に近い。
どの時代に、言葉が変化したのか。
漢字が輸入されてきた奈良時代には「安み(今の休みと同じ用法)」の使用が一般的だったようだ。