並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

季節代わりの夜

 和風ファンタジーです。

 太陽の媛    →天照大神アマテラスオオミカミ
 月の尊     →月読尊(ツクヨミノミコト)
 牽牛、月人壮士 →彦星
 織姫、織女   →織姫

 真十鏡(まそかがみ)は、月にかかる枕詞です。


 参考和歌
 吹き来れば身にもしみける秋風を色なきものと思ひけるかな(古今六帖)
 ちはやぶる神代もきかず龍田川韓紅に水くくるとは(古今・294番)

 咲きそろうが色はそろわぬ花の中に

 この情景の和歌があったのですが、メモを紛失。
 たぶん古今集
 萱の台詞のいくつかは、万葉集を基にしています。


 萱はススキの異名。湧立は造語。
 萱の姉は龍田姫


 七夕ネタです。
 だから、織姫と彦星。
 空には天河(天の川)。地には竜田川。ということで、情景重視のシュチュエーション。
 水鏡に、天鏡(月)なのも、印象重視。


 萱はススキなので、薄夜から物語が始まります。
 時間的には日没後。まだ太陽の輝きが西の空に残っているころです。
 そして「情の薄い」……薄情だと言います。

覆面作家企画3“夏”の没原稿だけあって、それ用の仕掛けがいくつか入っていました。

1.ファンタジー
  これは譲れないジャンルです。
2.前作とのリンク
  紅葉で川が染まる。というモチーフが一緒です。
3.「花」「星」「空」
  覆面の今までのテーマをメインに使っています。
4.公開時期が秋なので、季節は秋。

没理由

 小中学生が読めないこともないんだろうけど、読んで楽しんでもらいたいという趣旨からはズレてしまったから。
 読後感がいまいちだろう、と。
 夏に提出するからには、小中学生が「楽しかった」と思える話じゃないとダメだと思っていたわけです。
 それと、漢字の配合量が大人にも辛くなっちゃったのが……(笑)
 読めないとか、意味わからないって言われそうで*1
 前回と同じ轍を踏んじゃいそうなので、いや和風だからって押し切っちゃうのもアリだったんですが、それはまずいかなぁ。と弱気になって、没です。

*1:実際、言われたしね・汗