2005-07-15 夏空 小話 「青い空には、はてのない夢がある気がする」 庭先で空を見上げていた少女がぽつりと言った。 その傍にいた少年も、つられて空を仰ぐ。 夏のキッパリとした色の空が広がっていた。 雲とのコントラストが目に痛い。 「じゃあ、夜は?」 意地悪げに少年は問う。 きょとんとした黒い瞳が少年を見る。 「さあ? 何があるんだろう? 一緒に考えてみよう!」 少女は言った。 まるで夏の日差しのように、まぶしい笑顔で。 少年はうつむいた。 続きません。