並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

夏空

「青い空には、はてのない夢がある気がする」
 庭先で空を見上げていた少女がぽつりと言った。
 その傍にいた少年も、つられて空を仰ぐ。
 夏のキッパリとした色の空が広がっていた。
 雲とのコントラストが目に痛い。
「じゃあ、夜は?」
 意地悪げに少年は問う。
 きょとんとした黒い瞳が少年を見る。
「さあ?
 何があるんだろう?
 一緒に考えてみよう!」
 少女は言った。
 まるで夏の日差しのように、まぶしい笑顔で。
 少年はうつむいた。

 続きません。