「なぞなぞだよ」
「うん、なあに?」
「それは世界で一番醜くて、それは世界で一番美しい。
それはいったいどんなもの?」
「みにくくて、うつくしいの?」
「そうだよ。
しかも、壊れやすくて、それでいてしなやかなもの」
「むずかしいよ」
「とても簡単な問題だよ。
よーく、考えてごらん」
「うーん。
……。
わからないよぉ」
「そうかい?
それはね」
「うん」
「人の心だよ」
「え?」
「醜悪で、綺麗なものだよ」
「……むずかしいよ」
「そのうち、わかるようになるよ。
人の心がどれだけ醜いか。
そのくせ、素晴らしく美しいか」
というわけで、続きません。