並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

「なぞなぞだよ」
「うん、なあに?」
「それは世界で一番醜くて、それは世界で一番美しい。
 それはいったいどんなもの?」
「みにくくて、うつくしいの?」
「そうだよ。
 しかも、壊れやすくて、それでいてしなやかなもの」
「むずかしいよ」
「とても簡単な問題だよ。
 よーく、考えてごらん」
「うーん。
 ……。
 わからないよぉ」
「そうかい?
 それはね」
「うん」
「人の心だよ」
「え?」
「醜悪で、綺麗なものだよ」
「……むずかしいよ」
「そのうち、わかるようになるよ。
 人の心がどれだけ醜いか。
 そのくせ、素晴らしく美しいか」

 というわけで、続きません。