運命だ、とささやかれた。 一目でわかった。 ひづめの音がした。 金属が打ち合う音がした。 人の叫び声がした。 訓練とは違う、本物の音だった。 ホウチョウには馴染みのないものだった。 怖い、はずの音だった。 怖くなかった。 近づいてくる一騎。 それが彼だとわかった。 ずっと会いたかった。 どうしているのか、知りたかった。 笑っているのか、気になった。 「シャオ!」 ホウチョウは名を呼んだ。 シキョ城でそうであったように、紅の衣をまとった乙女は駆け出した。 ひらりと薄布が滑り落ちる。 ホウチョウは、秋にしては強い日差しを受ける。 緑とも茶色ともつかない綺麗な色は、少しも変わっていなかった。 それが嬉しくて、ホウチョウは笑う。 差し伸ばされた手をつかむ。 (建平二年:鳥陵公主フェイ・ホウチョウ)
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↑ウィキペディア:永劫回帰