並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

自分よりも賢い登場人物は書けないのか?

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 テーマ:天才



誰もが匙を投げ出すような難問を解決してこそ、
また、その解決法が常人には思いつかない鮮烈なものであってこそ、
初めて「天才」や「奇才」と呼ばれるようになるのだと思います。
灰殻ぱんだ。 
 思わず、うなずいてしまいました。


 で、ふと自分の生み出したキャラクターたちを振り返って。
 ゴロゴロしているわけですね*1


 ところがどっこい彼らが、そんな特殊な能力を持っているのか。というと、全然、そんなことはありません。
 どちらかというとフツーの人間の集まりです*2

鳥たちの見た夢

 「鳥夢」のソウヨウは『計略の奇才』だと呼ばれます。
 他の登場人物も納得しています。
 読者からの突込みがないので、おそらく『天才』に見えていると思います*3


 実は、からくりがあります。


 『鳥夢』の文化は、古代中国を模倣しています。
 兵法といえば『孫子』です。ところが書き手である私は、現代人なので『孫子』以外の兵法を知っています。また、『孫子』を有効に活用したことによって、大逆転をした戦をいくつか、知識として持っています。


 ダメ押しは、この文化における識字率の低さ。庶民は、本を読むことができません。貴族階級であっても、古今東西の本を入手することは難しいのです。


 その中、ソウヨウは満3歳には体術の訓練が始まりました。満7歳には『試練』を乗り越えました。
 その後、鳥陵へ来て、一日の大半を勉強と訓練に費やしたのです。人質でしたから、逆らうという選択肢はありません。
 潜在的な能力を置いておいても、これだけエリート教育をされれば、否が応でも、それなりの人物になると思います*4


 『奇才』と称されますが、秀才タイプということですね。


 ソウヨウの周辺には、凡人が多く存在します。
 カクシュやアグン。
 あるいはギョクカン王。
 カクエキは鋭い突込みをしますが、策略面ではまったく話になりません。
 ユウシやモウキンも、同じです。
 名が挙がった面々は『孫子』のすべてを理解していません*5
 そこまでの知識層ではないのです。


 すると、ソウヨウが『天才』らしく見えてくるんですね。

結論

 「天才」の隣には「凡人」を置いておくと、それっぽく見える。
 馬鹿の一つ覚えですが「天才」には、人間的な欠点を作っておくと、さらに「天才(専門馬鹿)」に見えてくる不思議。
 常人には「理解しがたい」習慣、クセ、嗜好があると、モアベター
 「理解できない=天才」ですからね!

蛇足

 読者が納得する「天才」になっているのかは、謎ですけどね(笑)
 メインが「恋愛」ものだから、ソウヨウの天才っぷりはスパイスぐらいの役割だと考えています。それで良いと、私は思っています。

*1:天才や特殊能力を持っている人間を登場させるのが好きだから

*2:書き手の限界かも知れませんが 笑

*3:ライトノベル特有の甘さはあると思いますが

*4:現代であっても

*5:一部は理解しているとは思いますが