並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

Dブロック感想

 自分の実力棚に上げて、ネタばれ感想です。
 それでもよろしければどうぞ。




D01  俺の妻の手作り弁当がまずいわけがない
 流行のラノベのようなタイトル。中身もラノベ調で軽いながら面白い。
 「俊介殿」呼びに嵌りました。奥さんの発言が時代劇を見るように硬いのがギャップがあって面白かったです。
 さりげなく
>愛しの俊介殿
 とか言っているのも良い!
 黒いお弁当もいいですね!!


D02  マジで恋するうんたらかんたら
 下ネタがたっぷり込められたお話ですね。注意マークが必要なお話かも。
 散りばめられた単語についつい読む手が止まりました。
 覆面作家といえどもここまでストレートな作品書いて大丈夫なのかな? と作者さんを心配してしまいました。
 振られちゃっても仕方がない出会いですね。
 早くお似合いな女王様に会えると良いですね。


D03  荒野のニンジン
 ニンジンスープ、美味しいんだろうな。
 幻覚でニンジンを見るぐらいだから、相当美味しいに違いない。
 それが苦手になってしまった主人公はいつ苦手になったことを告げるのでしょうか?
 それとも愛の力で克服しちゃうのでしょうか。
 ニンジンの家に住んでみたいなぁとちょっとだけ思いました。


D04  彩色展覧会
 水晶や紅玉が人物名だと気づかず、数行読んでから気がつきました。
 不思議な空間で、水晶が柘榴石のような人の元へ行くと告げるシーンが「毅然」と言う言葉がぴったりとしていて好きです。
 なんだか、宮沢賢治の世界を読んでいる気分になりました。
>そういうふうに、人は出来ているのです。
 この一括りの文が良いですよね。


D05  キャンバス
 ちょっと歪な三角関係。依存状態と言っても良いのかなぁ?
 完璧な女の子に惹かれる心境はわかるような気がします。
 最後の一文が怖かったです。
 中学の校舎が描かれた絵の空に
>雲ひとつない漆黒の闇が広がっていた。
 お茶して帰るというけれど、それだけじゃすまない予感がして。


D06  透明な口付け
 それで透明な口付けなんですね!
 最後まで読んで、タイトルに納得しました。
 ゆかり様がゾクゾクするほど、美しいですね。
 命を持たないもの特有の存在感なさ。空ろさが上手に表現されていて良かったです。
 椿の花が効果的に差し込まれていて文章を彩っていると思いました。


D07  色彩の守護者
 先輩、気が利く〜。強い上に、性格も良いって完璧ですね。
 一人で周ることになっちゃって大変ですよね。俺の気持ちもわかろうというもの。
 じーちゃんの遺言が役に立っていますね。
 軽い口調の俺が苦労性っぽくて好きです。
 ついつい貧乏くじを引いちゃう。そんなところが面白かったです。


D08  ばら姫と枯れた魔女
 ファンタジーですね。御伽噺といったほうが正確かも。
 出てくる登場人物は月だったり花だったり、冬だったりと擬人化されていて、それがぴったりでした。
 ばら姫の心境の変化が丁寧に描かれていて最後まで読み進めるのも苦じゃありませんでした。
 最後の一文が静かで効果的でした。


D09  サイレント・カラー
 聴覚障害のある私とおしゃべりなおばあちゃんのお話。
>色の白いは七難隠すって
というのを
>色白を誉められる代わりに七つもペケをもらいたいかどうか、女の子ならはっきり主張すべきだけど、お茶がなみなみ注がれたコップが来たので忙しい。
 と返す「私」の考え方が若くて伸びやかだなぁと思いました。
 盛りだくさんのおばあちゃんの歴史を一つ一つ読んでみたくなりました。
 文字数的に無理だとわかっていますが(笑) 


D10  祈りをあなたに 揺れる恋心が甘酸っぱく描かれていますね。
 デキーはルゥリンに恋の石を渡したわけですが、まだまだ山あり谷ありな展開のありそうな恋模様です。
 デキーが瑪瑙を磨くシーンがお気に入りです。
 思わず歌を口ずさんでしまうほど、楽しいことなんだろうな。
 と温かい気持ちになりました。


D11  My colors
 マリッジブルーな話かと思ったら、最後でどんでん返し。
 二人とも別々のパートナー見つけたみたいで、後味は悪くなかったですけど。
 結婚式の準備まで進んだ恋人同士でも、簡単(?)に別れられちゃうものなんですね。
 翔と美佳の不和が丁寧に描かれていて、最後はびっくりしたものの、納得しちゃいました。
 この二人じゃダメだ。と。
 今のパートナーを大切にして欲しいと思いました。


D12  Redbook/Bluewitch
 竜と空中戦! SFですね。カッコイイです。
 「私」だけ生き残るのは、辛いですよね。
 蒼薔薇症候群、怖いですね〜。
 息が止まるほどの多幸感を味わってみたいですが、依存性が高いというところで、我にかえりました。
>ドラゴンキラーになれたなら。
 結婚しようと何人もの男性に言われて、すでにその言葉自体が空虚になっていることに気がついている「私」。
 その上、ドラゴンキラーにならないで。という歌が流行る理由がわかるほど、戦績は酷いのですね。
 もうちょっと歌とリンクした話を読みたかったなぁと思いました。