並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

[HP]

 やあ、またお会いしましたね。
 お元気そうで何より。
 いや元気ではない?
 私と会っているあなたは、とても元気そうに見える。
 この仮想現実《世界》はアバター《モノ》であるからして、さほど深刻ではないと思える。
 私もあなたも。


 おや、私をご存知ではない。
 あなたはどうやらこの箱庭の近道を知っているようだ。
 何、実にシンプルなことだ。
 迷路のように歪な形式《カタチ》をした不案内な箱庭――ガン細胞《ウィルス》のように胎内で無限増殖していくものにも始点がある。
 それが箱庭の入り口にして、出口の一つ。
 私が待っているだろう。
 無論、私の話を聴くにはJAVA《装置》のスイッチを入れなければならないがね。……私は残響《ファントム》だ。
 耳を澄まさなければ聴こえず、目を凝らさなければ視えない。
 手間をかけさせてしまい申し訳ない。


 何故、私がそのようなカラクリを作ったか?
 日付を確認されるとよろしい。
 そこに模範的な回答への鍵が隠されているだろう。


 さて、私はそろそろ語るべきものを語りつくした感がある。
 残響《ファントム》は立ち去るのではなく、消失を迎えるもの。



 それでは皆さん、ごきげんよう