並木空の記憶録

「紅の空」の管理人2の備忘録

短編『譲り星』

 敗者復活戦、第一弾*1
 「覆面作家企画 2」に未提出……いわゆる没原稿です。


 異世界ファンタジー『譲り星』です。


 どうして没だったかというと、規定枚数である原稿用紙20枚を超過してしまった、という単純な理由です。
 「星」をテーマに書いた一本目なので、第二弾と『星龍井戸譚』とモチーフが被っています*2
 「星」というテーマに対して、捻りがない!
 以下、後書きです。




 まんま星が出てきて、夜の話です。
 主人公のサリレは「跳ぶ」「昇る」という意味で、エルは「翼」という意味の外国語です。
 作中の星の名前は、実際にある星の名前を借りているので、知っている方やアラビア語に詳しい方は「アダーラ」の謎が一つ、目にした瞬間に解けてしまうという(笑)


 カタカナの人名は4文字以上は覚えられない。
 という私の悩みどおりに、主要な固有名詞は抑えられた文字数になっています(笑)

 一人旅に慣れているとは思えない子どもが、腰から下げた水袋を開けると、そこから眩しい光球が天へと昇っていく。
 それは小さな星になった。

 それが書きたかったシーンでした。


 企画に出すつもりだったので、ファンタジーの中でも読み手が多い“西洋風”。恋愛要素は“ほぼなし”。対象は“全年齢”。と、自分にしてはけっこう頑張った設定になっています。
 三本の中で「一番良いよ! これ。どうしてこっちを提出しなかったの?」と言ってもらえたので、綺麗にまとまっている話……みたいです*3

23番目の星と同じ名前の子どもと一緒に。

 この辺りが並木空っぽいと言われたので、こちらを提出してもすぐにバレてしまって「覆面」にならなかったかもしれませんね。


 作中の「星の入った青玉」はスターサファイアです。
 珍しい石ではありますが、透明度が高い石ではないので、古代、中世では*4珍重はされなかった……と言われますがどうなんでしょう。
 西洋風というのは難しいですね。どの時代の、どこの国の風俗を基にするか悩んで、結局無難なものにしてしまいました。

*1:残念なことに第二弾もあります 笑

*2:どんなモチーフなのか、ということは第二弾を発表後に

*3:設定が甘いところが実はけっこうあるんですが

*4:東西問わずに